「校長日記」
将来の自分の姿
2009年度最後の3月になりました。気温もだんだんと上昇しているようで先月まで丹沢の山々にも雪が見えましたが、今ではすっかり消えています。もうしばらくすると新緑の季節・・・。新しい年度が始まります。さて、進路の決まった人もまだ決まっていない人も、もう一度みなさんに聞きます。「大学に合格することの先にどんな夢を持っていますか?」やはりこのことに拘り(こだわり)たいですね。何度も言うように、とりあえず大学に合格することが目標・・・そうではなく、『大学で何を学び、将来の自分の職業にどうつなげようとしているのか』・・・。就職までの4年間を自分のやりたいことをやるために大学へというのであれば、その『やりたいこと』『なりたい自分』を聞かれた時に応えられるようにしてください。明確な目標です。大学で何を学ぶのか。大学生となった自分の姿が決してゴールではないはずです。新たなスタートなのですから、そこに止まらないでその先を考えて学んで欲しいですね。本校の入学試験では、介護福祉士、社会福祉士、保育士を目指す受験生に『将来、どんな施設に就職して、あなたが目指す専門職の姿をお話ください』と明確に聞かせてもらっています。なぜ「福祉」なのか?なぜ「YMCA」なのか?そしてあなたの将来の姿は?・・・。目標を持ち、その目標に向かって努力すること・・・自分の生き方でも仕事でもとても大切なことだと思いませんか?。
大津波警報(10/3/1)
チリ大地震で日本にも大津波警報が出ましたね。チリといえば地球の反対側ですが、何と飛行機の速さで太平洋を伝って、ハワイ諸島を越えて、真っ直ぐに日本に向かってきました。ニュースの予報図を見る限りでは、とんでもない高さの津波と言う印象でしたからね。正直、少々あわてました。昨日の日曜日に午後から天気も回復し、小田原に梅林を見に出かける予定でしたが、JR東海道線が津波警報発令と共に運休になってしまい計画を中止せざるを得ないという残念なことでした。3mを超える津波が予測されていましたが、それほどでもなくて本当に良かったです。チリで被災された多くの方々がいます。他人事ではなく、ニュースに関心を持ち、何事をもなかったことでほっとするだけではなく、本当に大きな津波が来た時の備えを考えることも大切ですね。
無責任・・・(10/3/2)
ある集団があることでどのような方法がより効果的なのかを検討していました。一人のメンバーから興味深い提案がありました。「自分は良い方法を知っています・・・」「今までのやり方は欠点も多く、期待する成果も得られないので、自分の提案通りにやれば必ず成果が上がります。」他のメンバーは思いました。『どこかですでに実践しているのだろうか。』その方法での具体的な成果も聞いたこともないことを不安に思いながらも、集団は提案者からの具体的方法の提案を待ちました。見たこともないので話だけでは納得できないと周囲は提案者に説明を求め続けました。提案者からは、一向にその方法の必要性や有効性、期待される効果は提示されるものの、具体的方法が示されことなく時間だけが過ぎていきました。
本当は提案者はすでに気づいていたのです。『その方は理論的には可能であっても実践するには様々な困難さがある。以前からその方法は知られていても実際に取り組むには大変な労力と人手が必要な方法だ』ということを。自分の力量を過信した無謀な提案であることを。どこまでできるか自分で実験してみようと。提案者は自分なりにその方法を具体的に周囲に示そうとすればするほどに困難さが明確になっていきました。『今更、自分にはできないとは言えない・・・。』『できると思ったけどやはりできなかった・・・。』さらに周囲は混乱し、業を煮やした周囲は具体的な事例を自ら示すように求めるようになりました。そして日常的に提案者への風当たりは強まっていきました。そこで提案者はできない理由を周囲に見つけようとし始める始末。「ここまで説明をしてきたのだから、実践を見なくても理解できるはず、この方法の良さはわかるはず・・・」「自分が説明できないのは周囲に原因がある」「全員がこの方法を理解できなければ具体的な提案をしても無駄」と・・・集団の進めべき方向が決まっている以上、周囲は最後まで提案者を信じていたのです。期待していたのです。ある日提案者は決断します。「自分自身もやったこともなく、その成果の保障もできない」「自分の提案通りにやれば必ず成功する」「周囲が理解してくれないのが残念」さらに『すでに自分の責任は果たしました』と言って去って行きました。
専門職とは実践者です。誰にでも理解できる言葉で、時には具体的な実例を見せながら誰にでもわかりやすく説明できなければいけませんね。自分の頭の中にある理論さえ説明ができないのでは、実践ができるわけがありません。専門職の責任とは理論と実践を兼ね備えていることが求められますね。
大きくなったなあ・・・(10/3/3)
夜遅く家族が寝静まった頃に帰宅し、電気をつけると食卓には、彩りよく盛られたちらし寿司とはまぐりのお吸い物にラップがかかっておかれていました。そして、その横には「ひなあられ」がありました。そうだった今日はひな祭りでした。だいぶ遅い時間ですが、早速、お吸い物を温めていただくことにしました。我家のこども達がまだ小さかった頃、毎年、この日を前に「雛人形を出して!」と言われて飾っていました。家族みんなで飾りつけながら、長女には「素直なすてきな女の子になってね」と話していたことを思い出します。その長女も今では、雛人形の事よりも大事なことを見つけているようです。ひなあられを手に取ると、そこにメモ用紙を発見!「今日はひな祭り・・・遅くまでお仕事お疲れです。母さんと一緒に作りました。たくさん食べてください。お父さん!いつも感謝しています。」隣の部屋には、雛人形がきれいに飾られていました。
何かが狂ってる(10/3/4)
今朝の朝日新聞「津波サーファー」という記事に目がとまりました。チリ大地震の津波を映画『ビックウェンズデー』に見立てて、波に乗ろうとしたサーファーがたくさんいたようですね。海に詳しいはずの漁師でさえ『非難勧告』を無視して、津波を舐めている人が実際にいたくらいですから無理もないかも知れませんが・・・。津波は海岸に近づくと大きな波になるので、漁船は海に出た方が安全なのです。津波警報が出たところでは、漁船は海で待機していましたが、まだ警報が出ている最中に港に戻ってきてしまう漁船がいたとか・・・。「ルール」や「マナー」など規範意識の低い人がたくさんいますから、この世の中での今までの常識までが脅かされているように思いませんか。それにしても実際に死んでみないと分からないなんて残念です。もっと命を大切にして欲しいですね。
卒業クライシス(10/3/5)
春に三日の晴れなし、三寒四温というように暖かい日も晴天も長続きはしないのがこの季節の特徴です。それにしても今日の気温はまるで初夏のようでした。風もなく本当に穏やかな一日でしたね。花粉も思ったより少なかったようですね。気温20℃とは5月下旬の暖かさだとか・・・こんな毎日だと良いのですが・・・。さて、卒業クライシス(危機)って最近よく聞きますが、主にこの春高校を卒業する生徒たちが直面しているさまざまな危機のことを言っているようです。今年は就職内定率が前年より大きく下回り、働きたくても仕事がない、かといって進学もままならないといったことが社会問題化しています。中でも不況による親の収入減で学費を滞納して卒業式に出られなかったり、卒業資格が得られない生徒・学生が多いのではないかという問題です。昨今の不況が高校生の子供をもつ親の家計に打撃を与え、子供にも影響を及ぼすというように不況が連鎖しているということです。昨日も厚生労働省から「就職できなかった卒業生のための雇用訓練を考える説明会」の案内がありました。福祉業界でも若い力を活かせる場面は沢山ありますからね。本校でも、ぜひ検討したいと考えています。
恐竜は何故絶滅したか・・・(10/3/6)
ついに決着しましたね。6550万年前の白亜紀末に恐竜などが大量絶滅したのはなぜか。長い間様々な学説がありましたが、メキシコ・ユカタン半島に巨大な隕石(いんせき)が衝突したことが原因と結論づける報告を、東北大など12か国の研究機関による研究チームがまとめ、5日の科学誌サイエンスに発表したとのこと。これまでも隕石衝突説が有力視されていましたが、活発な火山活動によって太陽がさえぎられ、地球の寒冷化したためとか、哺乳類が卵を食べてしまったとか、恐竜自体の寿命だとか、いろいろな説がありました。
様々な分野の研究者が集まって、世界350か所の白亜紀末の地層や、隕石の衝突痕(クレーター)などを詳細に分析したところ、絶滅が起きた時期と、隕石に多く含まれるイリジウムの急増や、衝撃による岩石異常などがみられる時期が、厳密に一致したとのことです。一部研究者が強く唱えていた火山噴火原因説については、絶滅が起きた時期に火山活動が弱かったことなどを証明、その影響は小さかったと結論付けた。計算によると、直径約10~15キロの隕石が秒速20キロで当時浅海だった地表に衝突。エネルギーは広島型原爆の約10億倍に相当するとか。大気中に拡散した大量のちりが太陽光を遮断し、光合成を行う植物などが死滅した結果、食物が減少し、恐竜も絶滅に追い込まれたという根拠ある絶滅説で決着です。これでまた一つ謎が解けましたね。
「害」と「碍」(10/3/7)
精神障害、身体障害、知的障害など様々に困難さを抱えている人たちの困難さを表現するのに「障害」という漢字を使っていますが、私たちYMCAでは「障がい」とひらがな表記をしています。それは「害がある危険な存在」という印象をあたえてしまう可能性があるのではないかと考えるからです。「あえて変えなくても良い」という意見もあることは事実ですが、偏見のない平和な社会を使命としている私たちYMCAでも、社会的偏見の助長につながるのではないかとある意味拘っています。全国を見ると大阪府を初めとして10府県、5政令指定都市などで「障がい」という表記をしているとか・・・。「障碍」の「碍」という漢字は常用漢字にないので、「害」を使っているという説明があるのであれば、「碍」を常用漢字に加えれば良いだけのこと。「碍」とは、大きな石の前にたちすくんでいる意味です・・・。実は戦前は「障碍」だったとか。みなさんはどう思いますか?
今までとは全てが違う・・・(10/3/8)
高校生が授業料を滞納していることにより学校を卒業できないおそれがある場合、平成21年度に限り、滞納している高校の授業料について、生活福祉資金の教育支援資金により貸し付けが始まりましたね。
(1) 借りようとする者が平成21年度末(平成22年3月)時点で高等学校に在学中である者。
(2) 授業料の滞納についてやむを得ない理由がある者。
やむを得ない理由とは、生計を維持する方の失業、病気、災害等による減収です。収入が十分にありながら滞納している場合は貸付対象となりません。
貸付金額:一月あたり35,000円以内。上限額は(滞納した月数)×貸付上限月額35,000円。
・返済期間:据置期間(卒業後6月以内)経過後、8年以内。
・貸付利子:無利子
子ども自身が契約者となり、卒業後に働いて返していくという制度ですが、就職も厳しいです・・・。
さて、生活福祉資金とは、金融機関や公的な貸付制度からの借入が困難な所得の少ない世帯、障がい者や介護を要する高齢者のいる世帯に資金を貸付け、その世帯の経済的自立と生活の安定を図ることを目的としています。実施主体は、全国にある社会福祉協議会です。
決してこの資金だけの話ではありませんが、様々な支援資金がありますね。国に何らかの緊急事態が起きた時を備えて積み立てている資金なのでしょうね。まさに現代社会は、今までの制度では対応できない「変化」に対応できない「クライシス(危機)」が起きているのですね。
忘れてはいけない(10/3/9)
今日は、東京YMCAからの帰りに、知人と浅草公会堂に東京大空襲資料展を見に行ってきました。明日3月10日で65年・・・。東京都の統計で戦争で亡くなった10万人のうち、この東京大空襲で亡くなった方々が一夜にして9万人・・・とんでもない事ですね。本校でも学生達と一緒に毎年「平和を考える会」で厚木在住で「大空襲体験のある方々からのお話」を聞く機会があります。逃げ惑う親子、埋葬場所となった公園、黒焦げになった死体の山・・・戦争の悲惨さを伝えなくてはいけませんね。戦後、ドイツでは、軍人であろうが民間人であろうが、ドイツ人であろうが外国人であろうが、自国が引き起こした戦争によって被害を受けたあらゆる人に対してできる限りの補償をしています。それに対して日本は、軍人・軍属を除くと、戦争によって被害を受けた人々に対する補償を拒み続けています。その姿勢を批判する国民の声も弱かった。戦争被害について訴えようという声が上がってきたのは最近のことなんです。やはりドイツとは何かが違うのですね。
教育ビオトープ(10/3/10)
昨日は春の嵐でしたね。天気予報の通り「遅くなるほどに天気は崩れていきます。」ズバリ的中お見事でした。それにしても横浜でも夕刻から雪になって積雪しましたからね。でも夜半からの雨で朝にはすっかりとけてしまいました。さて、田中義積さんの「自由がこどもをダメにする」という本を読み終えました。何と表現すれば・・・とにかくもやもやがスッキリしましたね。現代社会の心の荒廃の原因が戦時中の教育制度に起因し、経済至上主義の中で、教育が経済的繁栄を効率よく生み出すシステムとして利用されてきたことが、今日の悲劇を招いたのではないかと田中先生は述べています。同感でした。道徳教育の見直し、家庭教育の責任、宗教心の回復、必要な躾、美しい所作・・・地域再生と内容は続きます。詰まるところ、やはり教育は、家庭、学校、地域が一体となって大切なこども達と向き合っていくことなんです。確信しました。ぜひ、みなさんも読んでみてください。
嫌な予感がしませんか?(10/3/11)
源実朝暗殺という歴史的事件の舞台でもある鎌倉の鶴ヶ丘八幡宮の石段脇の楼門の大銀杏が倒れてしまいました。大銀杏は1219年、鎌倉幕府の3代目将軍源実朝が八幡宮の参拝を終えたところ、この木に隠れていた公暁(くぎょう)が暗殺したとされる伝説から「隠れ銀杏(いちょう)」とも呼ばれていました。なんと樹齢は800年余りとか・・・。1955年には神奈川県の指定天然記念物になり、国の指定史跡でもあったのに残念ですね。これで一つ天然記念物が減ってしましますね。自然の力には驚かせられます。それにしても毎年、点検もしていたと言うのにどうしたことでしょうか。風雪に耐えかねてということなのでしょうね。何か天変地異が起こりそうな予感がしませんか?



